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小児矯正後の後戻りを防ぐ5つの方法と原因解説

矯正治療コラム

小児矯正後の後戻りとは?原因と影響を理解しよう

小児矯正治療を終えたお子さまの歯並びが、再び悪化してしまう現象を「後戻り」と呼びます。せっかく時間とコストをかけて整えた歯並びが元に戻ってしまうのは、保護者の方にとって大きな心配事ですよね。

後戻りは個人差が大きく、軽度なものから小児矯正前の歯並びに完全に戻ってしまう重度のものまでさまざまです。下の歯がわずかに乱れる程度の軽微な後戻りもあれば、元の不揃いな歯並びに近いところまで戻ってしまうケースもあります。

小児矯正後に後戻りが起こる可能性はありますが、適切なケアと予防策を行うことで、そのリスクを大きく減らすことができます。特に矯正治療が終了した直後から6か月間~1年は、歯がまだ新しい位置に完全に固定されておらず、後戻りが起こりやすい時期です。

ただ、小児矯正は成人矯正と比較して後戻りしにくい特徴があります。これは、成長期のお子さまの顎の骨がまだ柔らかく、歯の移動に対する適応力が高いためです。また、成長を利用して顎の発育をコントロールしたり、歯並びを悪くする悪い習癖をなおすような小児矯正を行うことで、歯並びだけでなく、顎のバランスも整えられるのです。

 

 

小児矯正後に後戻りが起こる5つの主な原因

小児矯正後の後戻りには、いくつかの原因があります。これらを理解することで、効果的な予防策を講じることができるでしょう。

 

1. リテーナー(保定装置)の使用不足

小児矯正後に後戻りが起こる最も多い原因は、リテーナー(保定装置)の使用を怠ることです。矯正治療が終了した直後、歯はまだ新しい位置に完全に固定されておらず、元の位置に戻ろうとする力が働いています。

治療後約1~2年間は、固定式または取り外し式のリテーナーを装着して歯を新しい位置に安定させる保定期間が必要です。この期間中にリテーナーの装着を忘れたり、使用を怠ったりすると、歯が骨にしっかり固定されず、歯並びが元の状態に向かって戻っていってしまうのです。

特に矯正終了直後は、たった1日リテーナーを装着しないだけでも後戻りを起こしていくことも珍しくありません。お子さまがリテーナーの重要性を理解し、正しく使用することが非常に重要です。

 

2. 悪習慣の継続

舌で前歯を押す癖(舌癖)や、頬杖をつく習慣、口呼吸、指しゃぶりなどの悪習慣は、歯並びに悪影響を与えます。これらの習慣が長期的に続くと、歯に継続的に力がかかり、後戻りを起こすことがあります。

また、歯ぎしりや食いしばり、うつぶせ寝なども顎に負担をかけ、顎の歪みを引き起こすことがあります。小児矯正後もこれらの癖に注意し、改善することが大切です。

特に舌の位置は歯並びに大きな影響を与えます。正しい舌の位置は上あごの前部(口蓋前方部)に持ち上がっている状態で、これが最も自然な位置です。舌が常に下の方にあったり、前歯を押す位置にあったりすると、歯並びが乱れる原因になります。

 

3. 成長に伴う骨格の変化

小児矯正後に後戻りが起こる原因の一つは、お子さまの成長です。治療終了後も、お子さまの歯並びや顎の発育は継続して変化します。特に、歯や顎の位置は成長に伴って変わることがあり、これにより後戻りを引き起こすことがあります。

つまり、小児矯正が成功しても、成長の過程で歯並びが乱れる可能性があるのです。そのため、長期的にフォローアップする必要があります。特に思春期の成長スパートの時期は注意が必要です。

成長期のお子さまは顎の骨が柔らかく、歯の移動に対する適応力が高いという利点がある一方で、成長による変化が後戻りを起こす原因にもなるので注意が必要です。

 

4. 親知らずの影響

智歯(ちし)や第3大臼歯と呼ばれる親知らずは、20歳頃前頃から生えてくることがあります。日本人の顎は、食生活の変化などで昔より小さくなっているため、親知らずが横向きに生えるなどのトラブルも珍しくありません。

親知らずが横向きに生えると歯が生えそろうスペースを圧迫する原因になり、歯列を後ろから押すようなイメージで、歯列に影響を与える可能性があります。親知らずが生える時期は個人差が大きく、そもそも生えてこない方もいるので必ず起きるトラブルとはいえませんが、注意が必要です。

小児矯正後、お子さまが10代後半になったら、親知らずの状態を定期的に確認することが重要です。必要に応じて、親知らずの抜歯を検討することも後戻り予防につながる場合があります。

 

 

5. 定期メンテナンスの不足

治療後に綺麗な歯列を見ると、安心すると同時に油断する方もいます。歯科検診やメンテナンスの頻度は3~6ヶ月に1回が推奨されてはいますが、ついいつい受診を怠ることもあるでしょう。

自身では気がつくことのできない後戻りやトラブルを早期発見してもらうために、きちんと受診することは大切です。メンテナンスのための定期健診を確実に行っているかどうかによって、後戻りのリスクは大きく変動します。

 

小児矯正後の後戻りを防ぐ5つの効果的な方法

小児矯正後の後戻りを防ぐためには、いくつかの重要なポイントがあります。これらを実践することで、お子さまの美しい歯並びを長期間維持することができるでしょう。

 

1. リテーナーの正しい使用

リテーナーとは、整った歯並びを安定させるための保定装置です。取り外し可能なタイプと固定式のタイプがあります。矯正治療後の歯並びを維持するためには、歯科医の指示に従ってリテーナーを正しく使用することが最も重要です。

一般的に、矯正治療直後は20時間以上リテーナーを装着し、徐々に就寝時のみの装着に移行していきます。リテーナーの装着期間は個人差がありますが、最低でも2年間は必要とされています。完全に後戻りを避けるには、2年経過しても一定の割合で装着するの事が推奨されています。

リテーナーを清潔に保つことも重要です。毎日専用の洗浄剤で洗浄し、定期的に歯科医院でのクリーニングを受けることをお勧めします。リテーナーが破損した場合は、自身の判断で使用を止めてしまわず、すぐにクリニックへ相談してください。

 

 

2. 悪習慣の改善

小児矯正後の後戻りを防ぐためには、舌の癖、歯ぎしり、口呼吸などの根本的な原因を早期に改善することが重要です。歯並びは頬の筋肉、舌の筋肉、噛み合わせ、隣接する歯など、多方面からかかる力の影響を受けて決まります。

特に子供のうちに悪習慣を改善することが、その後の長期的な歯並びの維持には非常に大切です。

舌の使い方を正しくしていくために、MFT(口腔筋機能療法)と呼ばれる治療プログラムも、後戻りを防ぐために有効です。口周りの筋肉のバランスを整えることで、歯並びの悪化を防げます。

歯並びに影響を与える悪習慣を治すことで、大人になっても後戻りしにくい口腔環境を作ることを目指しましょう。

 

3. 定期的なメンテナンス受診

小児矯正後の後戻り予防には、定期的な歯科検診が不可欠です。噛み合わせや舌の癖は無意識に行われることが多く、自身では気づきにくいため、定期検診でこれらをチェックしてもらうことが重要です。

定期検診では、歯並びの状態だけでなく、リテーナーの適合性や口腔内の健康状態も確認します。また、お子さまの成長に伴う顎の変化や、親知らずの状態もチェックします。

一般的に、矯正治療後の最初の1年間は3ヶ月ごと、その後は6ヶ月ごとの定期検診が推奨されています。定期検診を通じて、後戻りの兆候を早期に発見し、適切な対応を取ることができます。

定期検診は後戻り予防だけでなく、虫歯や歯肉炎・歯周病の予防にもつながります。矯正治療後の歯は、装置の影響で一時的に弱くなっていることもあるため、より丁寧なケアが必要です。

 

4. 正しい歯磨き習慣の確立

矯正治療後の歯並びを維持するためには、正しい歯磨き習慣を身につけることが重要です。適切な歯磨きは、歯と歯茎の健康を保ち、歯の移動を防ぐのに役立ちます。

特に矯正装置を外した直後は、装置があった部分に歯垢が蓄積しやすいため、丁寧な歯磨きが必要です。歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシなども活用しましょう。

また、フッ素入り歯磨き粉の使用や、定期的な歯科クリーニングも効果的です。歯の健康を維持することで、歯並びの安定にもつながります。

お子さまが自分で正しく歯磨きできるよう、保護者の方がサポートすることも大切です。特に小さなお子さまの場合は、仕上げ磨きを行うことをお勧めします。

 

5. バランスの良い食生活

意外と見落とされがちですが、食生活も歯並びの安定に影響します。硬い食べ物や粘着性の高い食べ物は、歯に過度な力をかけたり、リテーナーを損傷させたりする可能性があります。

バランスの良い食事は、顎の発達にも影響します。適度に噛み応えのある食べ物を取り入れることで、顎の筋肉が適切に発達し、歯並びの安定につながります。

カルシウムやビタミンDなど、歯や骨の健康に必要な栄養素をしっかり摂取することも大切です。日々の食生活を見直すことで、お子さまの歯並びを長期的に維持することにもつながります。

 

 

小児矯正の後戻りが起きた場合の対処法

もし小児矯正後に後戻りが起きてしまった場合でも、適切な対応を取ることで再び美しい歯並びを取り戻すことができます。早期発見・早期対応が重要なポイントです。

 

後戻りの程度を専門の歯科医師に評価してもらう

後戻りに気づいたら、まずは歯科医院に相談しましょう。後戻りの程度や原因を専門の歯科医師に評価してもらうことが大切です。軽度の後戻りであれば、リテーナーの調整や新しいリテーナーの作製で対応できることもあります。

また、後戻りの原因を特定することも重要です。舌の癖や口呼吸などの悪習慣が原因であれば、それらを改善するためのトレーニングや装置が必要かもしれません。

後戻りの評価は、レントゲン写真や口腔内写真、歯型などを用いて行われます。これらの検査結果をもとに、最適な対応策が提案されます。

 

再矯正治療の選択肢

後戻りの程度が大きい場合は、再矯正治療が必要になることもあります。再矯正治療は、初回の矯正治療よりも短期間で済むことが多いですが、個人差があります。

再矯正治療では、ワイヤー矯正やマウスピース矯正など、さまざまな選択肢があります。お子さまの年齢や歯並びの状態、生活スタイルなどを考慮して、最適な治療法が選ばれます。

再矯正治療を行う場合は、治療後の後戻り予防にさらに注意を払う必要があります。リテーナーの使用や定期検診の重要性について、改めて理解を深めることが大切です。

 

予防的アプローチの強化

後戻りを経験した場合は、今後の予防的アプローチをさらに強化することが重要です。リテーナーの装着時間を増やしたり、より頻繁に定期検診を受けたりすることで、再度の後戻りを防ぐことができます。

また、口腔筋機能療法(MFT)などのトレーニングを取り入れることも効果的です。これらのトレーニングは、舌の位置や口周りの筋肉のバランスを整え、歯並びの安定につながります。

後戻りの経験を教訓に、お子さまと一緒に歯並びの維持に取り組むことで、長期的な成功につながるでしょう。

 

まとめ:小児矯正後の後戻りを防ぐために

小児矯正後の後戻りは、適切なケアと予防策を行うことで大きく減らすことができます。リテーナーの正しい使用、悪習慣の改善、定期的なメンテナンス受診、正しい歯磨き習慣の確立、バランスの良い食生活の5つが特に重要です。

小児矯正は、お子さまの成長を利用して歯並びを整える素晴らしい治療法です。成長期に適切な矯正治療を行うことで、将来的な歯並びの問題を予防し、健康的な口腔環境を作ることができます。

後戻りが起きてしまった場合でも、早期に専門家に相談することで適切な対応が可能です。お子さまの美しい笑顔を長期間維持するために、矯正治療後のケアにも十分な注意を払いましょう。

当院では、小児矯正治療から治療後のフォローアップまで、一貫したサポートを提供しています。お子さまの歯並びについてご心配なことがあれば、お気軽に浅草橋駅前歯科 矯正歯科にご相談ください。

矯正治療は一時的なものではなく、生涯にわたるお口の健康を守るための投資です。私たちと一緒に、お子さまの健やかな成長と美しい笑顔をサポートしていきましょう。

詳しい情報や無料矯正相談については、浅草橋駅前歯科 矯正歯科のウェブサイトをご覧いただくか、お電話でお問い合わせください。